平屋と二階建てはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットを比較!
平屋と二階建てはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットを比較!
宅を建てる際に、「平屋か二階建てか」という選択に迷うことがあります。この選択は、単に家の形状を決めるだけでなく、将来の生活スタイルやコスト、メンテナンスのしやすさにも大きく影響します。
平屋はワンフロアでの生活が魅力的であり、高齢になっても住みやすいというメリットがありますが、広い土地を必要とするなどのデメリットも。一方、二階建ては狭い土地でも広い生活空間を確保できるメリットがありますが、階段の上り下りが日常生活に負担をもたらすことも。
本記事では、平屋と二階建てそれぞれのメリット・デメリットを詳しく比較し、建築費用や税金、メンテナンス費用の違いにも触れながら、それぞれの住宅スタイルが自分に合っているかを考えるためのポイントを提供します。
この記事のポイント
- 平屋と二階建てのメリット・デメリットがわかります
- 二階建てのメリット・デメリットがわかります
- 平屋と二階建ての費用を比較できます
目次
平屋と二階建てどっちがいい?
最初に結論をお伝えすると、平屋と二階建ての選択は、一概にどちらが優れているとは言えません。それぞれにはメリットとデメリットが存在し、どちらが自分にとって最適な選択肢であるかは、個人のライフスタイルやニーズに大きく依存します。
平屋を選ぶ際には、その魅力的な点だけに目を向けてしまうと、住み始めてから気づくデメリットによって後悔する可能性があります。例えば、平屋は広々とした生活空間を提供する一方で、土地の有効活用という点では二階建てに劣る場合があります。また、プライバシーの確保や防音性に関しても、二階建ての方が有利なことが多いです。
一方で、二階建ての選択もまた、そのメリットだけを見て決めると、平屋特有の魅力―例えば、生活空間の全てが同一フロアにあることによる利便性や、高齢者に優しいバリアフリー設計―を逃すことになり、後になって「平屋にすればよかった」と感じるかもしれません。
したがって、重要なのは先入観にとらわれず、自分の生活スタイルや将来設計を考慮しながら、それぞれの住宅タイプが持つメリット・デメリットを比較し、慎重に検討することです。例えば、家族構成、趣味やライフスタイル、将来の計画など、様々な角度から自分にとって最適な選択をすることが、後悔しない家づくりへの第一歩となります。
平屋と二階建てメリット・デメリットで比較
実際に平屋と二階建てのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
平屋のメリット
平屋のメリットには大きく分けて3つのメリットがあります。詳しく紹介していきます。
平屋のメリット |
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生活動線が効率的な間取りを設計できる |
家族とのコミニュケーションが取りやすい |
地震や台風に強い |
・生活動線が効率的な間取りを設計できる
平屋の最大の魅力は、その全てがワンフロアに収まることにあります。この特性は、生活動線を非常に効率的にし、間取りの設計においても大きな自由度を提供します。上下階への移動が不要なため、日常生活における移動距離が大幅に削減され、家事などの日々のルーティンがよりスムーズになります。
このコンパクトかつシンプルな生活動線は、家の中での無駄な動きを減らし、結果として家事の効率を大きく向上させることができます。また、生活の全てが同一フロアで完結するため、年齢を重ねても家の中での移動が容易であり、高齢になってからも生活しやすいという大きなメリットがあります。
・家族とのコミニュケーションが取りやすい
家族間のコミュニケーションを促進する大きなメリットとなります。ワンフロアに生活の全てが集約されているため、家族のメンバーがそれぞれの部屋にいても、互いの存在を感じやすく、自然とコミュニケーションが生まれやすい環境を提供します。
同じ空間で過ごす時間が増えることで、家族間の絆を深める機会も自然と多くなります。日常のささいなやり取りから、家族の大切な話し合いまで、顔を合わせることでスムーズにコミュニケーションを取ることができるのです。特に子育て中の家庭や、家族との時間を大切にしたいと考えている人にとって、大きな魅力となるでしょう。
・地震や台風に強い
平屋の構造は、その低い高さによって自然と安定感が増します。この安定性は、特に地震や台風といった自然災害の際に顕著なメリットとして現れます。建物が揺れる際、高さがある建築物ほど上階に行くにつれて揺れを強く感じる傾向がありますが、平屋ではそのような問題がほとんどありません。
平屋の耐震性や耐風性が二階建てよりも優れているとされるのは、このような理由からです。構造が地面に近く、重心が低いため、大きな自然の力に対しても建物全体が一体となって抵抗しやすいのです。これにより、地震や台風が発生した際にも、建物の損傷リスクを低減させることが可能になります。
平屋のデメリット
平屋のデメリット |
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広い土地が必要 |
日当たり・風通しが悪いことも |
プライバシーの確保が難しい |
防犯性が低い |
・広い土地が必要
平屋を建てる際には、同じ延床面積を持つ二階建ての家と比較して、より広い土地が必要となることが一つの大きなデメリットです。例えば、延床面積が50坪の家を建てたい場合、建ぺい率が50%の土地では、二階建ての家なら一階25坪、二階25坪と分けて建設することで、必要な土地の広さは50坪で済みます。しかし、平屋の場合は全ての面積を一階に配置する必要があるため、実質100坪の土地が必要になります。
平屋を建てるためには二階建てに比べて広い土地が必要となり、それに伴い土地購入費用が高くなるだけでなく、固定資産税も土地の広さに比例して高額になる傾向があります。特に土地価格が高い都市部では、この点が大きな障壁となり得ます。
・日当たり・風通しが悪いことも
平屋の住宅が二階建て以上の建物に囲まれてしまうと、日当たりや風通しに悪影響を受けることがあります。このような状況では、自然光や新鮮な空気の流れが制限され、住宅内の快適性が低下する可能性があります。そのため、平屋を建てる際には、採光や通風を確保するための特別な配慮が必要になることがあります。例えば、隣家との適切な距離を保つ、中庭を設けて内部に光や風を取り込む、といった対策が考えられます。
・プライバシーの確保が難しい
平屋住宅の特徴であるワンフロア上に全ての部屋が配置されていることは、プライバシーの確保において一定の課題をもたらします。家族間であっても、隣接する部屋同士で生じる音や気配が互いに感じ取られやすく、個々のプライベートな空間を保ちにくい場合があります。特に、家族構成やライフスタイルによっては、この点が不便と感じられることもあるでしょう。
さらに、寝室やお風呂などのプライベートな空間も全てが地上階に配置されるため、外からの視線を遮ることが難しくなります。これは、特に住宅密集地や通行人の多い地域において、外からの視線が直接室内に入り込むことによるプライバシーの侵害を懸念する声があることを意味します。
プライバシーの確保に関しては、適切な設計や工夫が求められます。例えば、窓の位置やサイズを工夫する、外部からの視線を遮るための植栽やフェンスを設置する、内部の間仕切りを工夫して音の伝わりにくい構造にするなど、さまざまな対策が考えられます。プライバシーを重視する場合には、これらの点を十分に検討し、設計段階から配慮することが重要です。
・防犯性が低い
平屋住宅は、その全ての生活空間が地上階にあることから、防犯性に関して特有の課題を抱えます。留守中はもちろん、在宅中であっても、住人の注意が及ばない隙に窓から侵入を試みる空き巣などの犯罪リスクが高まります。二階建て住宅の場合、夏の夜などに二階の窓を開けて寝ることが可能ですが、平屋では同様の行為が防犯上のリスクを伴います。
一階部分の窓は、外部からのアクセスが比較的容易であるため、侵入者にとっては魅力的なターゲットとなり得ます。このため、平屋においては、窓の位置や大きさを慎重に検討し、防犯ガラスの使用やシャッターの設置、セキュリティシステムの導入など、より強固な防犯対策を講じる必要があります。
二階建てのメリット
二階建てのメリット |
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土地が狭くても居住スペースを確保しやすい |
プライバシーが守られる |
水害に強い |
防犯性の高さ |
・土地が狭くても居住スペースを確保しやすい
二階建て住宅の大きな魅力の一つは、縦の空間を有効活用できることにあります。これにより、平屋に比べて広い土地を必要とせずに済みます。特に土地の価格が高い都市部などでは、この特性が大きな利点となります。狭い土地でも、上に建てることで十分な居住スペースを確保することが可能になり、限られた敷地面積でも理想の間取りを実現できる可能性が広がります。
また、二階建ては土地の有効活用という点で非常に効率的です。家族の成長や変化に合わせて、居住空間を柔軟に拡張したり、プライベートな空間を確保したりすることが容易になります。また、同じ土地面積でも、より多くの居住スペースを確保できるため、庭を持つ、テラスを設けるなど、屋外空間の活用の幅も広がります。
・プライバシーが守られる
二階建て住宅では、プライバシーの確保が一つの大きなメリットとして挙げられます。特に、リビングスペースを二階に配置する設計は、プライバシー保護の観点から近年注目を集めています。一階にリビングを設けると、人通りの多い場所では外からの視線を避けるために窓を小さくしたり、数を減らしたりする必要があります。しかし、リビングが二階にある場合、外からの直接的な視線を気にすることなく、より開放的な窓の設計が可能になります。
隣家との距離を保ちつつ、窓の方向を工夫することで、プライバシーを守りながらも、大きなテラス窓を通じて豊富な自然光を取り入れることができます。その結果、日当たりや風通しの良い、明るく開放感のあるリビングスペースを実現することができるのも魅力の一つです。
・水害に強い
二階建て住宅が持つ重要なメリットの一つに、水害に対する強さがあります。近年、津波や洪水、内水などの水害リスクに対する認識が高まり、不動産取引時にこれらのハザード情報の提供が義務化されるなど、災害への備えがより一層重視されるようになりました。この背景には、災害に対する関心の増加があります。
二階建て住宅の場合、万が一家が浸水するような事態になった際にも、二階部分への避難が可能です。これにより、住人は比較的安全な場所で救助を待つことができ、緊急時の安全確保に大きなメリットをもたらします。
・防犯性の高さ
二階建て住宅は、防犯性の観点からも多くのメリットを提供します。その一つが、窓の配置に関する自由度の高さです。
この自由度の高さは、住宅の防犯性を向上させる間取りを実現する上で大きな利点となります。例えば、一階には小さめの窓や防犯ガラスを使用した窓を設置し、プライバシーと安全性を確保しつつ、二階ではより大きな窓を設けて開放感と採光を確保するといった設計が可能になります。
また、侵入者が二階へアクセスするには、はしごや特殊な道具が必要になるため、一階のみに比べて侵入のハードルが高くなります。このため、二階建て住宅は、自然と防犯性が高い構造を持つと言えるでしょう。
二階建てのデメリット
二階建てのデメリット |
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家族のコミュニケーションが取りづらい |
階段の上り下りが高齢になると辛い |
生活動線が複雑になる |
光熱費が高くなる |
・家族のコミュニケーションが取りづらい
二階建て住宅では、フロアが分かれていることが家族間のコミュニケーションを取りづらくする一因となることがあります。例えば、学校から帰宅した子どもが直接自室に上がってしまい、その帰宅に家族が気づかないという状況は、二階建て住宅においてはよくある話です。このように、フロアごとに生活空間が分かれていると、家族が自然と顔を合わせる機会が減少し、結果として家族間の会話も少なくなりがちです。
・階段の上り下りが高齢になると辛い
二階建て住宅のもう一つのデメリットは、年齢を重ねるにつれて階段の上り下りが負担になることです。若い時は問題なく感じられる階段も、高齢になるとその毎日の上り下りが大きな苦痛に変わることがあります。例えば、洗濯物を干すためにベランダへ行く際や、二階の部屋を利用するために階段を使うことが、日常生活における一苦労となり得ます。
また、子どもが巣立った後には、二階の子ども部屋がほとんど使用されなくなり、無駄なスペースと感じられることもあります。このように、二階建て住宅を選択する際には、将来的に家族構成が変わったり、住む人の年齢が高くなったりした場合のことも考慮する必要があります。
・生活動線が複雑になる
二階建て住宅では、生活の中で一階と二階を頻繁に行き来する必要があり、これが家事の導線を複雑にし、平屋住宅に比べて負担が大きくなる可能性があります。生活動線の効率性は日常生活の快適さに直結するため、間取りを考える際にはこの点を特に意識する必要があります。
例えば、洗濯物を一階の洗濯機で洗った後に、それを二階のベランダまで運んで干す必要がある場合、その行為が日常的に繰り返されると、かなりの労力と時間が必要になります。また、掃除機を持っての一階と二階の往復、朝食の準備後に二階で寝ている家族を起こしに行くなど、階段の上り下りは日々の負担となり得ます。
・光熱費が高くなる
二階建て住宅のデメリットの一つとして、光熱費の増加が挙げられます。特に、吹き抜けやリビング階段など、開放感を重視した設計は人気がありますが、これらの空間は冷暖房の効率を低下させる要因となります。暖房時には暖かい空気が上に昇ってしまうため、一階が寒く感じられることが多く、逆に夏場は二階が暑くなりやすくなります。その結果、各居室でエアコンを使用することが多くなり、電気代が増加する傾向にあります。
また、フロアが分かれていることで、照明をつけっぱなしにしてしまうこともあります。一階と二階で生活の場が分かれていると、使用していない部屋の照明が消えているかどうかを確認しにくく、無駄な電気を消費してしまう可能性が高まります。
平屋と二階建ての費用で比較
ここでは平屋と二階建ての費用の違いを比較します。建築費用はもちろん、税金やメンテナンス費用も比較してみます。
建築費用
平屋と二階建ての住宅を比較する際、建築費用は重要な検討ポイントの一つです。しかし、どちらが一概に高いとは言い切れず、建築費用は間取りや設備、内装などの選択によって大きく変わります。
・同じ坪数の場合: 同じ坪数で家を建てる場合、二階建てはその構造上、外壁の面積が増えるため、一般的には工事費用が高くなる傾向にあります。二階建ての建築には、階段の設置や追加の床面の構築など、平屋にはないコストが発生します。
・同じ延べ床面積の場合: 一方で、同じ延べ床面積で比較した場合、平屋は基礎や屋根の面積が広くなるため、坪単価が高くなることが一般的です。平屋は全ての空間を一階に配置するため、広い基礎と屋根が必要になり、これらの構造部分にかかる費用が増加します
さらに、平屋は土地の有効活用に制限があるため、広い土地を購入する必要があり、その分のコストも考慮する必要があります。二階建ての場合は、縦の空間を利用することで、より少ない土地でより多くの居住空間を確保できるため、土地購入費用を抑えることが可能です。
不動産取得税と固定資産税
これらの税金の計算には「固定資産税評価額」が用いられます。この評価額は、土地の時価や立地、建物の請負工事金額など、多岐にわたる要因を基に各市町村が定めるものです。
・平屋の場合: 同じ延べ床面積で家を建てた場合、平屋は二階建てに比べて広い土地を必要とします。これは、平屋が土地の利用面積をより多く消費するためです。その結果、平屋の方が不動産取得税や固定資産税が高くなる傾向にあります。また、平屋は基礎や屋根の面積が広く、より多くの資材を使用するため、建物自体の評価額が高くなりがちです。これも税額が高くなる一因となります。
・二階建ての場合: 二階建ては縦の空間を有効活用するため、同じ延べ床面積でも必要な土地の面積を減らすことができます。これにより、不動産取得税や固定資産税の基礎となる土地の評価額を抑えることが可能になります。ただし、建物の構造が複雑になることで建築費用が増加する可能性があり、これが固定資産税評価額に反映される場合もあります。
メンテナンス費用
二階建ての住宅は、外壁の面積が広く、また高さもあるため、塗装や修繕の際に足場を組む必要があります。足場の設置は、メンテナンス作業の費用を大幅に増加させる要因の一つです。
また、日常の掃除や手入れにおいても、二階建ては階段の掃除や高い位置の窓の拭き掃除など、平屋に比べて手間がかかります。また、屋根が高い位置にあるため、屋根のメンテナンスや清掃も大変になります。
一方、平屋の住宅は、外壁や屋根のメンテナンス作業に足場を組む必要が少ないため、その点でのコストは抑えられます。また、全ての生活空間が一階にあるため、日常の掃除や手入れも比較的容易です。しかし、平屋は広い土地を使用するため、土地自体のメンテナンス(庭の手入れなど)が二階建てに比べて必要になる場合があります。
まとめ
この記事では、平屋と二階建てのメリットデメリットについて解説してきました。最終的には、「どんな暮らしをしたいか」を基準に、自分や家族のニーズに最も合った住宅タイプを選ぶことが大切です。
私たち星野建設では、平屋も二階建てもどちらの住宅でもご相談承っております。
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