2025年から省エネ住宅基準適合義務化?省エネ住宅の基準や種類、性能について詳しく解説

2025年から省エネ住宅基準適合義務化?省エネ住宅の基準や種類、性能について詳しく解説

2025年から省エネ住宅基準適合義務化?省エネ住宅の基準や種類、性能について詳しく解説

2025年 省エネ義務化 アイキャッチ

2025年4月1日から、住宅の省エネ基準適合が義務化されます。これは、令和4年6月17日に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」の一部改正によるものです。

建築物分野でのエネルギー消費量の増加に対処し、省エネルギーの徹底と再生可能エネルギー利用の拡大を目指すための重要な一歩です。この改正により、新たに建築される住宅も、省エネ基準に適合している必要があります。

この記事では、マイホームを検討中の方々からも関心が高まる、省エネ住宅の義務化で変わる種類や性能について解説します。

この記事のポイント

  • 省エネ住宅の基準がわかる
  • 補助金や住宅減税ローンについても解説

省エネ住宅の基準とは

各都道府県 UA値

省エネ住宅の基準は、住宅のエネルギー効率と環境への影響を測定し、評価するために設けられています。これらの基準は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、住宅が満たすべきエネルギー効率や環境基準を定めています。主な目的は、建築物によるエネルギー消費の削減と環境負荷の低減を図ることです。

具体的に、省エネ基準は以下の2つの重要な指標で構成されます。

一次エネルギー消費量:これは、住宅での空調、換気、照明、給湯などに使用されるエネルギーの総量を指し、太陽光発電設備等によって創出されるエネルギーを差し引いた純エネルギー消費量です。この基準値以下に抑えることが求められます。

外皮性能(外皮基準)

外皮性能とは、建物の壁や天井、窓などの断熱性能や日射遮蔽性能を指します。具体的には、以下の2つの指標が重要です。

UA値(外皮平均熱貫流率):断熱性能を表す指標です。
値が小さくなるほど、熱が出入りしにくく、断熱性能が高まります。


ηAC値(平均日射熱取得率):日射遮蔽性能を表す指標です。
値が小さくなるほど、日射が入りにくく、遮蔽性能が高まります。


なお、日本には温暖地や寒冷地があるため、地域ごとに基準値が異なります。

省エネ住宅の種類と性能

住宅性能 イメージ画像

省エネ住宅には、長期優良住宅、ZEH住宅、LCCM住宅、性能向上計画認定住宅などさまざまな種類があります。

長期優良住宅

長期優良住宅とは、バリアフリー性や耐震性など、一定の認定制度の項目をクリアした優良な住宅のことを指します。省エネ性能に加え、高齢者にも配慮された設計であることが特徴です。

ZEH住宅

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅は、高い断熱性能の設備とエネルギーを創出する設備(太陽光発電など)を導入し、1年間の実質的な一次エネルギー消費量をゼロにする住宅です。エネルギー消費を最小化する最先端の省エネ住宅と言えます。

LCCM住宅

LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅は、建築から解体までの全ライフサイクルを通して、二酸化炭素排出量がマイナスになる環境配慮型の住宅です。ゼロエネルギー住宅に加え、木材利用や再生可能エネルギー活用などにより、CO2排出量を実質マイナスにします。

性能向上計画認定住宅

性能向上計画認定制度は、一定の省エネ基準を満たす住宅に対し、政府が認定を行うものです。高い断熱性能や設備効率など一定の要件を満たせば、この認定を受けることができます。

省エネ住宅の義務化で変わるポイント

2025年には、建築物の省エネ基準適合が義務化されます。これは、2050年のカーボンニュートラル目標と2030年の温室効果ガス削減目標を達成するための重要な一環です。

省エネ基準適合が義務付け

2025年4月から着工するすべての新築住宅・非住宅に対して、省エネ基準適合が義務化されます。これにより、建築物のエネルギー効率を向上させ、持続可能な住宅環境を推進することが目指されています。

現行法では、300㎡未満の小規模住宅には説明義務、300㎡以上の大・中規模住宅には届出義務が課されていましたが、改正法の施行後は、10㎡以下の極小規模を除き、あらゆる規模の新築住宅に省エネ基準の適合が求められます。

さらに、省エネ基準では断熱性能が重要視されています。具体的には、断熱等級と呼ばれる指標が設けられており、2022年の法改正により、断熱等級が3つ新設され、合計7つの等級が設定されました。2025年以降には、最低基準となる等級4が引き上げられる予定です。

つまり、新築住宅だけでなく増改築でも、一定以上の断熱性能を備えた省エネ設計が、法的に義務付けられるようになります。住宅の環境性能向上が、より一層推進されることになります。

適合性審査が建築確認時に実施される

画像出典元:国土交通省

新制度施行後、すべての新築住宅・非住宅に対して、省エネ基準適合性審査が建築確認手続きの一環として行われることになります。

この審査プロセスは以下のように行われます。

省エネ性能確保計画の提出:建築主は省エネ性能確保計画を提出します。
行政機関は提出された計画をもとに「省エネ適合性判定」を行い、「適合判定通知書」を発行します。

省エネ基準適合の確認:通知書を受け取った建築主事または検査機関が、省エネ基準適合を確認します。
問題がなければ工事の着工が許可されます。

竣工完了時の適合検査:竣工完了時にも適合検査が行われます。

上記の手続きに不備がある場合、審査が通らず、着工や完成が遅れる可能性があるため、手続きの流れをしっかり確認しておくことが重要です。

また、仕様基準を用いるなど審査が比較的容易な建築物については、手続きが簡易化され、適合性判定の手続きが省略される場合があります。

さらに、建築確認対象外の小規模建築物や、建築士による設計・監理がある一定の小規模建築物については、適合性審査自体が不要となります。これらを一部対象除外したのは、審査手続きによる過剰な負担増加を避けるためです。

省エネ基準住宅で使える補助金や減税制度

住宅ローン 補助金

国で推奨している省エネ住宅なので、国や自治体でさまざまな支援制度があります。また、新築住宅を建てる人は「住宅ローン減税」についても気になっていることでしょう。この住宅ローン減税も2024年1月〜受ける方には、省エネ基準に適合が必須になりました。

これらを少し詳しく解説していきます。

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業とは、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業のことです。

ここでの「子育て世代」と「若者夫婦世帯」の基準は以下になります。

子育て世代申請時点において、子を有する世帯。
子とは令和5年4月1日時点で 18 歳未満
※令和6年3月末までに工事着手する場合においては、令和4年4月1 日時点で 18 歳未満
若者夫婦世帯申請時点において夫婦であり、令和5年4月1日時点でいずれかが39歳 以下
※ただし、令和6年3月末までに工事着手する場合におい ては、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下
子育てエコホーム支援事業のHP参照

対象住宅と補助金額

対象住宅・補助金額長期優良住宅:1住戸につき100万円
ZEH住宅: 1住戸につき80万円
子育てエコホーム支援事業のHP参照

ただし、地域や対象条件によって補助額が異なるため、具体的な条件については子育てエコホーム支援事業のHPを確認してください。

住宅ローン減税

住宅ローン控除は、毎年ローン残額の0.7%を所得税(一部は翌年の住民税)から最大13年間控除できる制度です。控除を受けるにはさまざまな条件があり、2024年からは省エネ性能が必須になりました。

・2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅について、住宅ローン減税を受けるには省エネ基準に適合する必要がある

・省エネ性能に応じて住宅ローン減税の借入限度額が異なる。

認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
4,500万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円
省エネ基準適合住宅3,000万円
省エネ基準に適合しない
「その他の住宅」
0円
参考資料を元に作成:国土交通省

・住宅ローン減税の申請には省エネ基準適合の「証明書」が必要

省エネ性能適合証明書は「建設住宅性能評価書」「住宅省エネルギー性能証明書」のどちらかの提出が必要になります。

省エネ住宅基準の今後について

国土交通省は、今後段階的に省エネ基準を引き上げていく計画を進めています。

2030年度以降に新築される住宅や建築物については、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に準じた高い省エネルギー性能の確保を目標に掲げています。つまり、ほぼZEH水準の基準が求められる見込みです。

さらに長期的には、2050年までに住宅・建築物の全ストックの平均でZEH基準相当の省エネ性能を実現することを目指しています。

このように、省エネ基準はより高い水準が求められるようになり、現在の新築住宅に限らず、将来的には既存住宅の改修においても同様の基準適合が義務付けられる可能性があります。

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