木造住宅の特徴とは?とメリットとデメリットもあわせて解説
木造住宅の特徴とは?とメリットとデメリットもあわせて解説
新築住宅の購入を検討中の方は、さまざまな構造の中から「木造住宅に住みたい」と憧れを抱くこともあるのではないでしょうか。
古くから日本の住宅の材料として選ばれてきた木造。
そこで今回の記事では、木造住宅の特徴について解説します。ほかの工法と比較したメリットとデメリットもあわせて紹介します。
木造住宅を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 木造住宅の特徴
- 木造住宅のメリット・デメリット
- 後悔しない木造住宅の選び方
木造住宅とは
「木造住宅」とは、その名のとおり「木材」を住宅の主材料としている住宅のことです。
国土交通省「新築建築物に占める木造建築物の割合(R4年度着工・床面積)」によると、1〜2階建ての低層住宅の場合は87.6%が木造と公表されています。
つまり、多くの戸建て住宅が木造住宅であるといえます。
3階建ての中高層住宅の場合は、53.3%が木造です。
国土交通省|新築建築物に占める木造建築物の割合(R4年度着工・床面積)
木造住宅の工法
木造住宅を建てる際の工法は「木造枠組み(在来)工法」「ツーバイフォー(2×4)工法」「木造ラーメン工法」があります。
それぞれについて詳しく解説します。
木造軸組(在来)工法
「木造軸組工法」とは、柱・梁・筋交いなどを木材でつくり、補強しながら建物の骨組みをつくる工法です。点を結ぶように空間を構成していきます。
日本で古くから使われている工法で「在来工法」とも呼ばれています。
木造軸組工法を採用した木造建築を行う施工業者は多いため、業者選びがしやすいです。
木造軸組工法の建物は柱で支えられているため、間仕切り壁を取り除くこともできます。間取りの変更をしたい場合でも、希望に近いリフォームができるのも特徴です。
ツーバイフォー(2×4)工法
「ツーバイフォー工法」とは、木材と角材を使って枠組みパネルをつくり、壁・床・天井を組み立てて面をつくる工法です。6つの面をベースに建物を建てていきます。
厚さ2インチ×幅4インチの木材をパネルにして組み立てることから「2×4工法」と表記されることも多いです。
もともと日本で生まれた工法ではなく、戦後にアメリカから伝わったものです。
ツーバイフォー工法は、あらかじめ工場で製作された規格の材料を使うため、施工工期が短いという特徴もあります。また、施工業者による品質のばらつきを最小限にできます。
ただし、壁全体が柱の役割を果たしているため、間取りの変更をしたい場合でも構造上抜くことができません。リフォームを行う際、制限がある点を覚えておく必要があります。
木造ラーメン工法
「木造ラーメン工法」とは、もともと鉄骨造や鉄筋鉄骨コンクリート造で使われていたラーメン工法を応用した工法です。
「ラーメン工法」とは、柱と梁が剛結合(強く一体化するもの)になっており、地震に強い構造を実現させたものです。
木造の場合でも、柱と梁の接合部に鋼板・ボルトを使用して強く接合し、剛接合したものを木造ラーメン工法と呼んでいます。
柱と梁のみで建物を構成することができるため、大きな開口部を設けることができます。リフォーム時に間取りの変更もしやすいのが特徴です。
ただし、木造ラーメン工法を採用した住宅の建築は難易度が高く、施工できる業者が少ないです。
木造以外の住宅
日本でも古くから愛されてきた木造住宅。ただ、木造のほかにもさまざまな構造の住宅があります。
ここからは、木造以外の構造について紹介します。
鉄骨造(S造)
「鉄骨造」とは、柱や梁に鉄骨を使用している建物のことをいいます。鋼鉄は、英語で「Steel」であるため「 S造」ともいわれています。
一般の戸建て住宅よりも、アパート・マンション・ビルなどに多い構造です。
鋼材の厚みが6mm未満の場合は「軽量鉄骨造」と呼ばれ、6mm以上の場合は「重量鉄骨造」と呼ばれています。
木造に比べて、鉄骨造は耐震性能や防音性能に優れています。
しかし、木造よりも断熱性・通気性が低いです。冷暖房設備の使用により高熱が高くなる傾向があるため、鉄骨造の住宅を検討している方は最適な断熱材を使用することが重要です。
鉄筋コンクリート造(RC造)
「鉄筋コンクリート造」とは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造です。鉄筋コンクリートは、英語で「Reinforced Concrete」であるため、それぞれの頭文字を取って「 RC造」とも呼ばれています。
マンションに多く採用されていますが、建築家が設計した戸建て住宅にも採用されるケースもあるのです。
鉄筋は「熱に弱く錆びやすいが、引張力に強い」という特徴がある一方で、コンクリートは「引張力に弱いが、熱に強く圧縮力に強い」という特徴があります。鉄筋とコンクリートそれぞれの弱点を補っているといえます。
鉄筋コンクリート造は耐震性・耐火性に優れているため、地震や火事による被害を最小限にできるのは安心できるポイントです。
鉄筋コンクリート造は断熱性も高いです。季節に関係なく、室内を快適に保つことができるため過ごしやすいのも魅力といえます。
しかし、気密性が高く湿気がこもりやすいため、カビが繁殖しやすくなってしまいます。快適な住空間を実現できる換気システムを設置することが重要です。
また、場合によっては地盤改良が必要になることもあります。住宅の基礎工事だけではなく地盤工事も行う場合は追加費用が発生するため、建築コストが高くなる可能性があります。
鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)
「鉄筋鉄骨コンクリート造」とは、鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み立て、コンクリートを打ち込んで一体化させた構造です。鉄筋鉄骨コンクリートは、英語で「Steel Reinforced Concrete」となり、それぞれの頭文字を取って「SRC造」とも呼ばれています。
マンションやビルなど、高層の建物や大スパンの建物に採用されている構造です。
耐震性においては、ほかの構造と比べてもっとも高いです。
しかし、施工日数がかかる点や建築コストが高くなる点がデメリットとしてあげられます。
木造住宅のメリット
木造住宅には、どのようなメリットがあるのかについて、住宅の購入を検討する上で押さえておきたいものです。
ここからは、木造住宅のメリットについて解説します。
木の温もりを感じられる
木造住宅の魅力は、なんといっても木の温もりを感じられるところです。自然素材が好きな方にとっても、木造住宅は住みやすさを感じられるのではないでしょうか。
木と一口にいっても、木造住宅に使われている木材はさまざまです。
日本国産の木材もあれば、海外産の木材もあります。日本国産の木材といっても、スギ・ヒノキ・マツなど、それぞれの木材ごとに特徴が異なります。
木材にこだわりたい方は、住宅のプロに相談したりモデルハウスを見学して実物を確認したりするのもおすすめです。
調湿性・通気性が高い
木材は、調湿性・通気性が高いという特徴があります。
乾燥時には湿気を放出し、多湿時には湿気を吸収することを「調湿効果」といいます。四季がある日本だからこそ、一年中快適な日常生活を送る上で調湿性・通気性の高さは重視したいポイントです。
調湿性・通気性が高いことで、カビが繁殖しにくくなります。
一方、鉄骨造住宅や鉄筋コンクリート造住宅の場合は調湿効果がないため、換気システムを設置する必要があります。
断熱性が高い
木材住宅は、断熱性の高さもメリットの1つです。
住宅に断熱材を入れる場合は結果が変わりますが、構造のみで考えた場合は木材の断熱性は高いです。夏は涼しく、冬は暖かい住空間を実現できるため、1年を通して快適に過ごすことができます。
また、断熱性の高さにより冷暖房の温度設定を抑えられます。光熱費を節約できる上、省エネを意識した暮らしができるようになるのです。
間取りの自由度が高い
木造住宅は間取りの自由度が高いため、希望が叶いやすいというメリットもあります。
デザイン面にこだわりたい方にとっても嬉しいポイントです。
また、新築時だけではなくリフォームを行う場合を考えても、間取りの変更がしやすい木造住宅は魅力といえます。
建築コストを抑えられる
木造住宅は、建築コストを抑えられるというメリットがあります。
国税庁が公表している「建物の標準的な建築価額表」によると、構造別に1m2当たりの工事費予定額を比較すると、鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造よりも木造の建築コストが安いことがわかります。
住まいは大きな買い物です。できるだけコストを抑えた住まいを選びたい方にとっても、木造住宅はおすすめです。
耐火性に優れている
耐火性に優れているのも木造住宅の特徴です。
木材というと、燃えやすいというイメージを持つ方もいるかもしれません。実は、木材の内部まで燃えるには時間がかかることから、建物すべてが消失することは少ないのです。
木造住宅のデメリット
木造住宅を購入する前に知っておきたいのは、デメリットではないでしょうか。ここからは、木造住宅のデメリットについて解説します。
シロアリの被害に遭う
住宅の被害の1つがシロアリの被害です。
シロアリは、湿気が多く日の当たらない場所に巣をつくります。さらに、柱や梁など住宅を構成する木材を食べてしまうのです。
新築時に防蟻処理を行っているかどうかも大切ですが、シロアリの駆除などの対策を行ってもらえるのかもあわせて確認しておくと安心です。
耐用年数が短い
木材の弱点の1つは、ほかの構造に比べて耐用年数が短い点です。
長く住み続けるためには、定期的なメンテナンスが必要となります。住宅の劣化、建物の構造体の損傷などを進行させないことが重要です。
国税庁が公表している「主な減価償却資産の耐用年数表」では、構造・用途別に建物の耐用年数が表記されています。
構造・用途別の建物の耐用年数は、次のとおりです。
・木造(店舗用・住宅用のもの):22年
・鉄骨造・鉄筋コンクリート造(住宅用のもの):47年
このように、鉄骨造と木造の建物の耐用年数を比較すると、2倍以上の差が生まれてしまいます。
ただし、あくまでも法定耐用年数として定められたものです。実際の耐用年数と若干の差がある場合もあります。
遮音性・防音性が低い
木造住宅は、遮音性・防音性が低い点がデメリットとしてあげられます。
特に、賑やかな住宅街や車両の通行が多い場所で暮らす場合、物音に悩んでしまう方もいます。
ストレスなく快適な暮らしを送るためには、防音対策がポイントです。
外壁に遮音性の高いタイルを使用したり、防音ガラスを窓に採用したりするのもおすすめです。また、ご自身で遮音カーテンを選んでみるのも、防音対策につながります。
耐震性が低い
鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて、木造は耐震性に劣ります。そのため、住宅の施工業者が構造計算を行っているかどうかも安心できるポイントです。
ただし、通常は木造2階建住宅(200m2未満)の構造計算の義務はありません。
星野建設の「casaの家」では、全棟構造計算を行っています。地震荷重だけではなく、風荷重・積雪荷重・積載荷重も考慮しているので、自然災害が発生しても安心して暮らしていただける安全な住宅をお届けしています。
品質のばらつきが出やすい
鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、工場でつくられた材料を使って住宅を構成するため品質を一定に保ちやすいです。
しかし、木材はまったく同一のものはありません。見た目や強度など品質のばらつきが出やすいのも木材住宅の特徴です。
また、住宅の施工を行う業者の腕に左右されやすいです。木造住宅を検討している場合は、実績のある業者に施工を依頼すると安心です。
後悔しない木造住宅選びのポイント
後悔しない木造住宅選びをするためのポイントについて解説します。これから木造建築の工事を依頼を考えている方は、参考にしてみてください。
相見積もりを取る
新築を購入するなら木造住宅と決めた場合、施工を依頼する業者に見積もりを取ることが重要です。
ただし、木造住宅の建築を行っているのはハウスメーカー・建築設計事務所・工務店などがあります。
どこに住宅の施工を依頼するかによって工事の価格が変わるため、1社ではなく複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
ハウスメーカーの場合は、木造住宅を得意としているかどうかを確認するのもポイントです。
建築設計事務所に依頼する場合は、デザイン面にこだわることができます。
工務店なら地域密着で対応してくれることが多いため、周辺環境に合った提案をしてもらえるのが特徴です。
星野建設の「casaの家」では、建築士と一緒に家づくりができます。デザイン・間取り・プランなど、お客様の予算に応じて最適なご提案をさせていただいておりますので、ぜひご相談ください。
補助金・助成金を活用できるか確認する
新築を購入する場合、どうしても気になるのが費用です。できるだけコストを抑えて満足度の高い住宅に住みたいのが本音ではないでしょうか。
コストを抑えて木造住宅を購入するためにも、補助金・助成金を活用できるかどうかを確認することをおすすめします。
たとえば、注目されている補助金・助成金の1つが「2024年住宅省エネキャンペーン」です。「2024年住宅省エネキャンペーン」の4つの事業の1つである「子育てエコホーム支援事業」で補助対象となる場合があります。
新築の注文住宅において、下記の場合が補助対象です。
・長期優良住宅:1住戸につき100万円
・ZEH住宅:1住戸につき80万円
上記のほかにも、地域型住宅グリーン化事業や地方自治体独自の補助金・助成金制度があります。補助金・助成金の対象かどうかわからない場合は、ハウスメーカー・設計事務所・工務店など、住宅のプロに相談してみることをおすすめします。
保証サービスが充実している
木造住宅を新築で購入する際は、保証サービスが充実しているかも確認しておくことをおすすめします。
雨漏りが生じたり、シロアリが発生したりする場合も考えられます。補修する場合はメンテナンス費用がかかるため、保証サービスがあると安心です。
ただし、保証プランが異なる場合があるため、住宅の契約を結ぶ前に必ず確認しておくのがポイントです。
まとめ
今回の記事では、木造住宅の特徴とメリット・デメリットを解説しました。
住宅の構造には、鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)・木造などがあります。
木造住宅の特徴やメリット・デメリットについての理解が深まったのではないでしょうか。
メリット・デメリットをふまえた上で、新築選びにおいて何を重視するかを決めておくことが重要です。
大正10年の創業以来、星野建設は地元密着・地域貢献で新築住宅・リフォーム・リノベーションを提供してきました。
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