長期優良住宅のメリットとデメリットとは?メンテナンスにかかる費用も詳しく解説

長期優良住宅のメリットとデメリットとは?メンテナンスにかかる費用も詳しく解説

長期優良住宅のメリットとデメリットとは?メンテナンスにかかる費用も詳しく解説

戸建住宅の購入を検討している方の中には「長期優良住宅」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。ただ、具体的にどのような住宅のことを指しているのかわからない方もいるのではないでしょうか。

実は、長期優良住宅の認定基準を満たすことで「補助金の活用」「住宅ローンの金利の引き下げ」「税の特例」「地震保険料の割引」などのメリットがあります。

今回の記事では、長期優良住宅のメリットとデメリットについて詳しく解説します。メンテナンスにかかる費用も紹介するので、新築の購入を考えている方は最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • 長期優良住宅のメリットとデメリット
  • メンテナンスに必要な費用
  • 長期優良住宅の申請手続きをする方法

長期優良住宅とは

「長期優良住宅」とは、大きくわけて次の5つの措置が講じられている住宅のことをいいます。

1.長期に使用するための構造及び設備を有していること

2.居住環境等への配慮を行っていること

3.一定面積以上の住戸面積を有していること

4.維持保全の期間、方法を定めていること

5.自然災害への配慮を行っていること

長期優良住宅制度は「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいており、平成21年6月4日から新築を対象とした認定が開始されました。平成28年4月1日からは、既存住宅の増築・改築を対象とした認定も開始しています。令和4年10月1日からは、既存住宅の認定(建築行為なし認定)が開始となったのです。

長期優良住宅(一戸建ての住宅の場合)の認定を受けるためには、次の項目を満たす必要があります。

・劣化対策

・耐震性

・省エネルギー性

・維持管理・更新の容易性(維持管理対策等級 専用配管)

・居住環境

・住戸面積

・維持保全計画

・災害配慮

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅に住むことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、長期優良住宅のメリットを解説します。

快適に住み続けられる

断熱性・耐震性の高さなど、長期優良住宅は快適に住み続けられる住宅です。家族で長く住み続けたいと考えている方にとっても、優良住宅はメリットといえるのではないでしょうか。

住宅ローンの減税が適用される

長期優良住宅の認定を受けると、住宅ローンの減税が適用されるのが魅力です。住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除できるようになります。

令和6年・令和7年に長期優良住宅(新築)に入居する場合は、借入限度額は4,500万円・控除期間は13年間です。

ただし、令和6年度住宅税制改正により、子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額は5,000万円となっています。

住宅ローンの減税対象となるには条件があるため、詳しくは、国土交通省の公式ホームページをご確認ください。

補助金を活用できる

長期優良住宅を新築で購入する場合、補助金を活用できることもあります。

たとえば、2025年のカーボンニュートラルの実現に向けて住宅の省エネ化を支援する

「住宅省エネ2024キャンペーン」の子育てエコホーム事業です。

新築で長期優良住宅を購入した場合、補助対象となります。補助額は、1住戸につき100万円です。

地震保険料の割引が受けられる

日本は地震が多い国だからこそ、新築で住宅を購入する多くの方が加入しているのが地震保険です。地震保険とは、地震の発生による住宅の消失・倒壊・埋没などに支払われる保険金です。

実は長期優良住宅の認定を受けることで、地震保険の保険料が割引となります。「耐震等級割引」「免震建築物割引」のいずれかに該当する場合に保険金が支払われるのです。

耐震等級割引は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく耐震等級(倒壊等防止)を有している建物の場合に適用となります。

割引率は、下記のとおりです。

・耐震等級3:50%

・耐震等級2:30%

・耐震等級1:10%

免震建築物割引は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物である場合に適用となります。割引率は、50%です。

中古住宅の売却で有利になる

長期優良住宅の認定を受けた新築を中古住宅として売却する際、評価に差が出る場合もあります。

長期優良住宅と認定されていることで、耐震性・耐久性・維持管理の容易性などを証明することができるのです。

定期的にメンテナンスを行い記録も保存されているため、売却時にプラスにはたらきます。

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅に住むことで、どのようなデメリットがあるのでしょうか。ここからは、長期優良住宅のデメリットを解説します。

長期優良住宅の申請手続きには時間と費用がかかる

長期優良住宅の申請手続きは、約1ヶ月程度の時間がかかってしまうこともあります。また、書類作成にともない別途費用がかかってしまう点がデメリットとしてあげられます。

建築費用が高くなる

長期優良住宅は、建物の構造体に使っている建材や設備に性能が高いものを採用することが多いです。そのため、一般的な戸建て住宅に比べて建築費用が高くなってしまう傾向があります。

ただし、長期目線でみると補修や修繕にかかる費用を抑えられることも多いです。たとえば、大きな地震が発生した場合でも小規模な補修工事のみで済むこともあります。

建築費用が高くなっても、安心・安全な暮らしを望む方は、長期優良住宅がおすすめです。

定期的にメンテナンスを行う必要がある

長期優良住宅の定期的なメンテナンスが必要です。住宅を良好な状態で長い間使用するために、建築時に耐久性を確保することは重要です。

さらに、住宅の工事が完了した後は認定を受けた維持保全計画書に基づいて点検を行い、適切な補修を改良を行わなければなりません。

長期優良住宅の認定を受けた場合は、申請時に作成した維持保全計画のとおりに計画的に点検を実施する必要があります。

また、必要に応じて調査・修繕・改良を行うこと、維持保全計画書の内容の見直しを行うことも重要です。

地震や台風が発生した場合は、臨時点検が必要になる点も押さえておきたいポイントです。

記録の作成と保存の義務がある

長期優良住宅の定期的なメンテナンスは、必ず記録を作成し保存する必要があります。紙データではなく、電子データでの作成・保存も認められています。

維持管理計画書に従ってメンテナンスをしていない場合は、所管行政庁から改善を求められる可能性があるため注意が必要です。

もし、改善に従わない場合は、長期優良住宅の認定を取り消されてしまうこともあります。長期優良住宅の認定によって税金の優遇や補助金の活用をしていた場合は、返還を求められることもあるのです。

所管行政庁から記録の報告を求められた際に、報告をしなかったり虚偽の報告をしたりした場合は、30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

長期優良住宅のメンテナンスに必要な費用

長期優良住宅は、定期的なメンテナンスが必要です。

維持保全の期間は30年以上です。工事完了から10年以内に点検を行い、その後は10年以内に点検・調査・修繕・改良を行う必要があります。

長期優良住宅は、一般的な住宅に比べてメンテナンス費用がかかる点が気になるものです。ただ、点検者によってメンテナンス費用が異なります。

ここからは、長期優良住宅のメンテナンスに必要な費用について解説します。

自分でメンテナンスをする

長期優良住宅のメンテナンスは自分で行っても問題ないとされています。自分でメンテナンスを行う場合は、メンテナンス費用がかからず「無料」となります。

一般財団法人 住宅金融普及協会の公式ホームページで公表されている「長期優良住宅の維持保全記録シート(戸建て用)」を確認すると、自分でも確認できる点検項目があります。

長期優良住宅の維持保全記録シート(戸建て用)の一部を紹介すると、下記のとおりです。

・外壁:色あせ、さび、すき間、汚れ、割れ

・玄関建具・窓:開閉不良、すき間、不織、付属金物の異常

・トイレ:悪臭、カビ、換気不良、つまり

・浴室:カビ、シーリングの劣化、タイル等の割れ

このような項目は、自分で点検することもできます。

ただ、建築に関して専門知識がない場合は、すべてのメンテナンスを行うのは難しいです。正確に点検できるかどうか不安な場合は、専門家にメンテナンスを依頼すると安心です。

新築時の建設会社・ハウスメーカー・工務店に依頼する

新築時の建設会社・ハウスメーカー・工務店でも、長期優良住宅のメンテナンスに対応してもらえます。住宅の建築を行なっているため、維持保全計画書に基づいて丁寧に点検してもらえます。

また、定期メンテナンスの時期になると連絡をもらえるため、忘れる心配がありません。無料で点検を実施してくれる場合も多く、メンテナンスコストを抑えることができます

ただ、定期メンテナンスで何らかの不具合が見つかることもあります。

もし、新築時の不具合と関連性がないと判断された場合は、メンテナンス費用がかかってしまうこともあるため注意が必要です。

建築に携わっていない第三者に依頼する

住宅の建築に携わっていない第三者(専門業者など)に依頼することもできます。第三者としては、一級建築士や住宅診断士などに依頼が可能です。

もし、新築時に施工不良がある場合でも、確認してもらえるため安心できるのではないでしょうか。

第三者にメンテナンスを依頼する際、目視で確認できる場合と目視以外で確認する場合とでメンテナンス費用が異なります。

目視で確認できる場合は「5〜10万円程度」であるのに対して、目視以外の点検をする場合は「10〜15万円程度」となります。

長期優良住宅の申請手続きをする方法

長期優良住宅の認定は、住宅の着工前までに行わなければなりません。ここからは、どのように申請手続きを行うのかについて解説します。

一般財団法人 住宅金融普及協会の公式ホームページに掲載されている「長期優良住宅業務 手続きの流れ」によると、下記の手順で手続きを行います。

・事前相談

・申請

・図面修正など

・確認書の交付

・所管行政庁へ認定申請

それぞれについて解説します。

事前相談

戸建て住宅の長期優良住宅申請を行う場合は、スムーズに手続きを進めるために事前相談を実施しています。手続きの際に必要な書類があるため、準備を進めておく必要があります。

必要な書類は、下記のとおりです。

・長期使用構造等確認申請書

・長期使用構造等(変更確認)申請書別紙

・設計内容説明書(戸建住宅用)

・内容説明書添付資料(躯体高さ計算シート)

・委任状

・申請図書一覧

・その他審査に当たって必要な書類

申請

必要書類に不備がないかを確認した後、一般財団法人 住宅金融普及協会の「審査本部 性能評価課」に予約を行います。予約日時に申請手続きできます。

図面修正など

申請後、内容の審査が行われ、結果は「質疑表」にまとめて送付されます。図面修正などがある場合は、対応が必要となります。

確認書の交付

審査が終了すると、確認書が交付されます。確認書と審査済みとなった押印のある添付図書を認定申請に必要なほかの書類に添付します。

所管行政庁へ認定申請

最後に、所管行政庁に認定申請を行なって完了となります。

まとめ

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今回は、長期優良住宅のメリット・デメリット、メンテナンスにかかる費用について解説しました。

長期優良住宅の認定手続きを行う際、時間も費用もかかりますが、住宅ローンの金利の引き下げや税金面における優遇、補助金の活用など、長期優良住宅のメリットは多いです。

長期優良住宅は、長い間快適で安心・安全な暮らしを実現できるようになります。

星野建設の「casaの家」では、全棟「長期優良住宅」を目指しています。「住を、楽しむ。」をコンセプトに、創業以来100年続く地域に密着した工務店である当社。

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